この思い秘密です
それから数週間後・・・・

レコーディングは無事に終わった。

私と淳平はあの日以来、言葉を選ぶようにぎこちなさが続いていた。

勿論、キスの理由は聞けていない。

これからミックスダウン、マスタリング作業が始まるが

ここからは坂下さんを中心にエンジニアさんたちの仕事になる。

淳平もこのメンバーに入っているため

ここに残るが私は歌入れが終わった段階でレコーディングは終了したため

淳平より一足先に帰る事になった。

今後は上野さんたちがみんなの世話をすることになっている。

「凪ちゃん、僕に会えなくて寂しかもしれないけど
素晴らしいアルバムに仕上げるから待っててね」

坂下さんらしいチャラい言葉もいつしか慣れていた。

「はい・・・東京で待ってますね」

ちらりと淳平の方をみると相変わらず視線を逸らすように別の方を見ていた。

だけどこんなよそよそしい態度のまま一足先に帰るのは気持ち悪い。

「淳平?!」

「ん?な・・なんだよ、急に・・・・」

「何かあれば連絡するから携帯には出るようにしてね。あと・・・・頑張って」

「・・・おう」

ぶっきら棒な返事だが笑顔で返してくれた事に安堵した。
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