虹色のラブレター
それから急いで電車に乗り込んだ僕は、電車を降りてからもその勢いは止まらず、千鶴の家まで走った。
外から見える台所の窓から、うっすらと光が漏れているのを見て、僕は安心した。
乱れた息を整え、玄関の鍵を開けて中に入るといい匂いがした。
「智おかえり!!」
千鶴の元気な声が聞こえる。
僕は『ただいま♪』と返す。
すると、千鶴は嬉しそうに、僕の目の前に皿を突き出してきた。
その上に、綺麗に盛りつけられたそれは、揚げ立てですごく美味しそうだった。
「じゃーん!!今日はトンカツ定食にしたよ~♪」
千鶴は自慢げに言って笑顔を見せた。
僕は幸せすぎた。
だから、気付いていないこともたくさんあった。
この時に気付いていれば……とも思う。
でも、この時の僕は一生懸命だった。
ただ、「千鶴のことが好き」ということに一生懸命で、それが僕の全てだった。