虹色のラブレター
*
二人で電車に乗って、僕の家に向かった。
窓の外を流れる景色を見ながら、千鶴が言った。
「いっぱい光ってるね」
『何?』
「あの家も、この家も……人が住んでるんだね」
僕も窓の外を眺めた。
「みんな幸せなのかなあ……」
『きっとね……』
「そう?一人で泣いたりしてる人はいない?」
『う……ん。それは……いる……かも』
「不公平……だよね」
僕は言葉を詰まらせた。
千鶴は続けた。
「みんな、同じように生まれてきたはずなのに……」
『そうだけど……。でも、人は人を幸せにするために生まれてきて、その人の為に生きてるって俺は思うんだ』
「人は人を?」
『うん。だから、今は泣いてても……きっとその人もいつか、自分を幸せにしてくれる人と出会って幸せを分け合えると思……う?あ、あれ?俺、何言ってんだろ?だ、だからつまり……』
「うん、わかるよ。智が言ってる意味わかる」
『わ、わかってくれた?』
「じゃ、私も……その誰かを幸せに出来るのかな……」
『出来るよ。出来るに決まってんじゃん』
僕は、千鶴の「その誰か」を自分と置き換えてそう言った。
でも、千鶴の表情は少し悲しそうに見えた。
僕はそんな千鶴の目に映る、窓の外の光をずっと見つめていた。