虹色のラブレター
しばらくして、車はカラオケボックスに近づいてきた。
『覚えてる?』
「え?何?」
千鶴はキョロキョロしながら、窓の外の景色を必死で検索していた。
懐かしい看板が見えてきて、そこで初めて千鶴は気付いたようだった。
「あ!!この道って、あの時の道と同じだったんだ!!」
『そうだよ。懐かしい?』
「うん!!懐かしい……」
千鶴は窓を全開にした。
静かだった車内に、一気に風が吹き込む。
千鶴の、あの頃より伸びた髪が勢いよくなびいた。
「あの時……智と美貴は付き合ってるんだと思ってた……」
千鶴は進行方向をジッと見ながら呟くように言った。
『え?』
「だって……」
車は勢いよくカラオケボックスの横を通り抜けた。