虹色のラブレター


『と、とにかく話は後だ!!すぐにそこに行くから!!』


「いいよ……。電車で帰れるから、智は家で待ってて……」


僕は千鶴の言葉を遮るように叫んだ。


『ジッとしてられないんだよ!!!!』


「智……智……」


受話器越しに、千鶴の涙混じりの声を聞きながら僕は言った。


『大丈夫。すぐに行くから……』


千鶴は何度もズズッと鼻をすすった。


「早く……来てね」


『うん。わかった……』


電話を切った僕は駅まで走って、電車に飛び乗った。

そして一度、自分の家に帰って車に乗り換えた。

僕の職場までは、千鶴の家から電車を乗り継いで行くよりも、車で言った方がずいぶんと早く着く。

彼女の無事を祈りながら、僕はアクセルを強く踏みこんだ。



< 175 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop