虹色のラブレター
次の日、千鶴は学校を休んだ。
昨日のことがあって、どうしても行く気になれないと彼女は言った。
僕は仕事が休みの日だったので、その日は二人で家でゆっくり過ごした。
とくに何かをする訳でもなく、ただゴロゴロしながらテレビを見たり、ゲームをしたりして過ごした。
この何でもない時間が、僕にとって、どれだけ穏やかで安らぎに満ちていたことか。
この時の僕には、気付く理由がなかったし、それが幸福というものだということをまだ知らなかった。
陽が落ち始めて、部屋が少し暗くなり始めたくらいに千鶴が言った。
「ね?映画でも観に行かない?」
『映画?』
「うん。一緒に行こうって約束したじゃない?」
『うん、いいけど……。今日?』
「うん。今から……駄目?」
『駄目じゃないけど……。次の休みの日は?』
「今日がいいの。行こうよ!!]
千鶴が立ち上がったのを合図に、僕たちは別々の部屋で着替えを始めた。