強引上司の溺愛トラップ
「渡辺さん、せっかくだからもう少し飲みませんか? キャッツアタックの話とかもしましょうよ!」

一島くんがそう言ってくれて、ビール瓶も差し出される。


もうだいぶ飲み過ぎているのだけど、せっかくこう言ってくれているのに断るのも申し訳なくて。

「う、うん。じゃああともう少しだけ」



あー……ゲームの話しながら飲むお酒は美味しいなぁ…なんて思う。



……ううん。一島くんと飲んでるから、一島くんが注いでくれるビールだから、美味しいんだと思う。


胸のドキドキが、本当に止まらない。




一次会が終わると、融資課の人たちだけで二次会に行った。

そこでも、一島くんがお酒を勧めてくれた。うれしくて、喜んで飲んでしまった。


それに、一島くんによく思われたい、なんて思いから、上手く会話するためにテンションを上げようともう一口、もう一口、と結局お酒を飲み進めてしまった。




……その結果。



「うう〜……」

「ナベちゃん、大丈夫? 普段飲まないのに、今日はやけに飲んでたね?」

二次会が終わり、店の前で頭を抱える私に、融資課の係長さんが声を掛けてくれる。

うぅ……情けない。自分の不注意でこんなことになっているのに、上司に気を遣わせてしまって……。




その上。


「あのっ、俺が悪いんです! 話が合ったのが嬉しくてついどんどん注いじゃって……!」


……と、一島くんにも謝らせてしまった……!ちちちち違うよ一島くんは悪くないんだー‼︎



「あ、あの! 私、大丈夫ですから!」

皆さんに、特に一島くんにこれ以上心配を掛ける訳にはいかず、私はなるべく元気なフリをしてそう伝えた。
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