ドリーミィ✡ マジカリア
二人とも息をぜえ、はあ と切らしている。
きっと一生懸命走って来たのだろう。
「もう、初日から遅刻ギリギリなの?
特別にセーフにしておいてあげるけど。
明日から気を付けなさいね?」
新任の女教師が困った顔で言う。
「あー、つっかれたぁー!」
「いやもう、本当ごめんねぇ~」
「おはようー、お2人とも」
もうー、本当疲れたんだよー、と夕和ちゃんが百合ちゃんに愚痴る。
「でももう、慣れたんじゃないの?これだけ今まで遅刻繰り返してたんだから」
「まあねー、慣れちゃうよ。慣れたくないけど」
「今日はカナが遅れたの?」
「寝坊しちゃってぇ~…」
「てか、大体がカナの寝坊のせいでしょ。私の遅刻の原因は」
でも、カナちゃんが遅くなってもずっと待っているなんて、やっぱり2人は仲が良いんだなあ。
少し羨ましいなあ…と思ってしまう。
「ん、いっちーおはよっ!具合良くなった?」
「うん、大丈夫。それと、ありがとう。
昨日私の家まで来てくれたって…」
「そんなの全然良いって!むしろいっちーの妹の双葉ちゃん?その子をなだめる事の方が大変だったんだよ、ねぇ?」
「そう、双葉ったら凄く動揺してたんだよ。『お姉ちゃん死なないよね?』って」
「そうだったんだ…ごめんね迷惑かけて」
「だから気にしなくて良いんだよぉ~?これくらい当然の事だもん~」
ありがとう、ともう一度お礼を繰り返す。