水曜日の片想い


こんな風に校門を出てからも頭の中にお花を咲かせて歩いていると、



「あっ」



道端に転がってる石にも気づかず転んでしまうのだった。



「わっ!」


ベチッと微妙な音をたてて、硬いコンクリートに体が叩きつけられる。



最悪……。

こんなの超かっこ悪いじゃん。


好きな人が隣に居るっていうのに、なんてタイミングだ。

こんなときに転ぶなんて神様の意地悪………。


ちょっとくらいわたしの恋を応援してくれてもいいのに。



恥ずかしくて顔も上げられない。


しかも結構な勢いで全身が痛い。


こんなに思いっきり転ぶのは何年振りだろう。


橘くんと一緒に帰れたのが嬉しすぎて浮かて転んじゃうなんて……。


「………瀬戸って本当バカだな」



そうだよバカすぎーーー。


< 49 / 291 >

この作品をシェア

pagetop