嘘つきな唇
「分かったよ…じゃあもう来ないけど…
真里奈も、もう俺を思い出すなよ?
じゃないと…」
言葉の途中で大雅が口を噤んだ、
「じゃないと…なに?」
「また…心配になっちまうから…」
「そっか…分かったよ。」
私の言葉に頷いて、大雅が背中を向けた。
「もしも…帰らないでって言ってたら…ずっとそばに居てくれる気はあった?」
すると困り笑顔で振り返った大雅は「わかんねー」と笑って
廊下を歩いていく。
大雅の帰ってく後ろ姿を見るのは
これが最後。
その背中に手を振って
彼の姿がなくなる前に部屋に戻って
煙草に火をつけた。