Uncontrolled(アンコントロールド)
朝倉との再会をきっかけに、一彰は星名とのセックスに貪欲になったようだ。それを悪いことだとは思わない。寧ろ、嫉妬というスパイスで、彼の愛情は深まったような気がしている。どちらかと言えば、そういう事に淡泊なのだろうと思っていたが、裏を返せば、一彰からのアプローチで始まった交際とはいえ、身を焦がすような恋情を星名に対して持ち合わせていなかったという事になる。彼女とて同じことなのだが、いざ相手もそうなのだと目の前に突きつけられてしまっては、理不尽に思ってしまうあまのじゃくな自分がいる。
「岩崎さん、最近ますますきれいになったよね。ちょっと痩せた?」
ロッカールームで帰り支度をしていると、やってきたばかりの同じフロアの同僚に声を掛けられる。
社内では、クールビューティの称号を与えられていることは知っていた。自分のどの辺りがそのような評価に繋がるのか未だ不明ではあるが、少しシャープな印象の切れ長のアーモンドアイなのではないかと推測している。アメリカ留学中に、現地の人間から何度か、意志の強そうなエキゾチックな目元だと言われたためだ。自分では表情豊かな方だとは思っているが、この目元のせいで少し冷たい印象を周囲に与えることもあるのかもしれない。
「え? そうですか? 最近体重計乗ってないから分からないですけど」
確かに、少し頬がほっそりしたかもしれないと、鏡に映る自分を見てそう思った。
「でも、緒川さんの方が痩せたんじゃないですか? ダイエット中って言ってましたよね」
「あ、分かる? 最近流行りの――……」
星名への前振りは、結局は、緒川が自分のダイエット成果を自慢したかったにすぎないのだと勘付きながら、世間話は社内環境の潤滑油としては欠かせないため、上手に相槌を打ちながら身支度を整えていく。
「それじゃあ、お先に失礼します。お疲れさまでした」
頃合いを見計らって、ロッカーの扉をパタンと閉じる。
今日はこのあと、英会話のレッスンに通うつもりだった。
「岩崎さん、最近ますますきれいになったよね。ちょっと痩せた?」
ロッカールームで帰り支度をしていると、やってきたばかりの同じフロアの同僚に声を掛けられる。
社内では、クールビューティの称号を与えられていることは知っていた。自分のどの辺りがそのような評価に繋がるのか未だ不明ではあるが、少しシャープな印象の切れ長のアーモンドアイなのではないかと推測している。アメリカ留学中に、現地の人間から何度か、意志の強そうなエキゾチックな目元だと言われたためだ。自分では表情豊かな方だとは思っているが、この目元のせいで少し冷たい印象を周囲に与えることもあるのかもしれない。
「え? そうですか? 最近体重計乗ってないから分からないですけど」
確かに、少し頬がほっそりしたかもしれないと、鏡に映る自分を見てそう思った。
「でも、緒川さんの方が痩せたんじゃないですか? ダイエット中って言ってましたよね」
「あ、分かる? 最近流行りの――……」
星名への前振りは、結局は、緒川が自分のダイエット成果を自慢したかったにすぎないのだと勘付きながら、世間話は社内環境の潤滑油としては欠かせないため、上手に相槌を打ちながら身支度を整えていく。
「それじゃあ、お先に失礼します。お疲れさまでした」
頃合いを見計らって、ロッカーの扉をパタンと閉じる。
今日はこのあと、英会話のレッスンに通うつもりだった。