Uncontrolled(アンコントロールド)
集中しているせいもあって、毎回45分はあっという間に終わる。復習を兼ねて帰りの電車で聞く為に録音しているICレコーダーのスイッチを切ると、教材やノートと共にバッグに仕舞っていく。
「星名ちゃん、これから何か用事でもある?」
今日は一彰と待ち合わせをしている訳でも友人と会う予定もない為、このまま帰宅するつもりだ。
「予定は特にないですよ。先輩は?」
「じゃあさ、一緒にメシ食って帰らない? 仕事終わってそのまま来たんでしょ」
「いいですね。先輩のお勧めのお店に連れていってほしいです」
「ノリいいね。和食、イタリアン、中華、フレンチ、多国籍料理等々、一通り網羅してるけど」
「私が決めても良いんですか?」
「勿論」
「それじゃあ、美味しいお魚が食べたいです」
「ここから一番近くて美味い店に案内するよ」
朝倉は携帯を取り出し、どこかに電話を掛け始める。これから二名で伺うと言っているのを聞いて、席の予約の為なのだと分かった。
「ちょうど席が空いたばかりだっていうから、タイミング良かったね。少し歩くけど、大丈夫?」
長身の彼は首を傾げて、星名の顔を覗き込む。その柔らかい目元、スマートな振舞いや気遣いは、まだ朝倉が高校生だった頃から備わっていて、誰にでも平等だった。だからこそ彼は、女子生徒からまるで王子様のように圧倒的な人気を誇っていた。けれどもそこは文武両道を謳っている進学校という事もあり、一部の女子を除いては、勉強漬けの日々を送る多くの女の子たちにとって、遠くから憧れるだけのオアシスのような存在だった。
「星名ちゃん、これから何か用事でもある?」
今日は一彰と待ち合わせをしている訳でも友人と会う予定もない為、このまま帰宅するつもりだ。
「予定は特にないですよ。先輩は?」
「じゃあさ、一緒にメシ食って帰らない? 仕事終わってそのまま来たんでしょ」
「いいですね。先輩のお勧めのお店に連れていってほしいです」
「ノリいいね。和食、イタリアン、中華、フレンチ、多国籍料理等々、一通り網羅してるけど」
「私が決めても良いんですか?」
「勿論」
「それじゃあ、美味しいお魚が食べたいです」
「ここから一番近くて美味い店に案内するよ」
朝倉は携帯を取り出し、どこかに電話を掛け始める。これから二名で伺うと言っているのを聞いて、席の予約の為なのだと分かった。
「ちょうど席が空いたばかりだっていうから、タイミング良かったね。少し歩くけど、大丈夫?」
長身の彼は首を傾げて、星名の顔を覗き込む。その柔らかい目元、スマートな振舞いや気遣いは、まだ朝倉が高校生だった頃から備わっていて、誰にでも平等だった。だからこそ彼は、女子生徒からまるで王子様のように圧倒的な人気を誇っていた。けれどもそこは文武両道を謳っている進学校という事もあり、一部の女子を除いては、勉強漬けの日々を送る多くの女の子たちにとって、遠くから憧れるだけのオアシスのような存在だった。