Uncontrolled(アンコントロールド)
朝倉に連れてこられたのはビルの地下にある和食店だった。暖簾をくぐる彼に続いて中に入ると、控えめに生けられた四季の花々が来客を出迎える。無駄を省いた小ざっぱりとした内装は、返って店の価値を高めているようだ。通されたのは奥にある個室だった。

「いいお店ですね。この辺りは通ることもあるんですけど、気付かなかったです」

「路面店じゃないしね。隠れ家的でいいでしょ」

午後八時過ぎというピークの時間帯というのもあるのだろうが、星名たちのすぐ後で訪れた客は満席だからと入店を断られていた。席に案内される間に通ってきたカウンターやテーブル席は確かに埋まっていたので、人気店らしかった。

「この店は、魚だけじゃなくて何でも美味いよ」

「先輩のお勧めはどれですか?」

「俺はね、魚じゃなくて悪いんだけど、角煮が一番かな。あと、ここのお造りは量が多めだから、最初は二人で一人前で良いと思うよ」

「じゃあその二つと、海老しんじょう、いいですか?」

「勿論。飲み物はどうする?」

聞けば、この店は日本酒の種類が豊富だと言う。先ずは二人ともビールで乾杯をして、それから日本酒にいこうという話になった。

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