Uncontrolled(アンコントロールド)
「一彰に連れられて星名ちゃんと会ったのって、もう二週間……三週間くらい前になるのかな」
さっそく運ばれてきたビールで乾杯をすると、朝倉は豪快に一口で半分ほどを腹に納めたから、アルコールに強い方なのだろう。星名も乾いた喉を潤すようにゴクゴクと飲んで、リップがついた飲み口を親指できゅっと拭った。
「そうですね。こっちで地元の知り合いと会うことって約束でもしない限りないので、本当驚きました」
「俺は事前に星名ちゃんだって分かってたけどね。でも、ほんの少し前に会ったばかりなのに少し雰囲気変わっていて、今日は俺の方が吃驚したよ」
「もしかして、私、少し痩せました? 今日同僚に言われたんですけど」
女性にとって、体重の増減や見た目の印象は特に気になるところだ。期待を込めて聞いたのに、朝倉は首を捻りながら小さく唸る。
「痩せたっていうより、艶っぽくなったって言う方が合ってる気がするな。その同僚って女性? 同性だと分からないのかもしれないけど、色気が増したって感じなのかな」
色気、というと少し語弊があるだろう。ここ最近は一彰に求められる事が増えたので、少しずつ疲労が蓄積された上でのやつれ感なら実感している。
「もしかして、俺の登場が起爆剤になって、充実してんだ? そっち系」
思いがけず図星を指されて思わず顔を赤らめてしまえば、朝倉は一瞬きょとんとした後、口にしたばかりのビールを噴き出す勢いで笑った。
「星名ちゃんて、一見感情が顔に出ないタイプだけど、結構だだ漏れしちゃってるよね」
「それは、先輩だから気付くんですよ。昔から、見てないようで何でも知ってる、みたいなとこあったじゃないですか」
高校時代もそれが気遣いや優しさという形で表れていた。朝倉はルックスだけでモテていた訳ではない事は、彼を直接知っている人間であれば、誰しもが気付いたことだろう。グラスの上部を持って空いた人差し指で星名を指差しては、まだ少しおかしそうに口元を歪めている。
さっそく運ばれてきたビールで乾杯をすると、朝倉は豪快に一口で半分ほどを腹に納めたから、アルコールに強い方なのだろう。星名も乾いた喉を潤すようにゴクゴクと飲んで、リップがついた飲み口を親指できゅっと拭った。
「そうですね。こっちで地元の知り合いと会うことって約束でもしない限りないので、本当驚きました」
「俺は事前に星名ちゃんだって分かってたけどね。でも、ほんの少し前に会ったばかりなのに少し雰囲気変わっていて、今日は俺の方が吃驚したよ」
「もしかして、私、少し痩せました? 今日同僚に言われたんですけど」
女性にとって、体重の増減や見た目の印象は特に気になるところだ。期待を込めて聞いたのに、朝倉は首を捻りながら小さく唸る。
「痩せたっていうより、艶っぽくなったって言う方が合ってる気がするな。その同僚って女性? 同性だと分からないのかもしれないけど、色気が増したって感じなのかな」
色気、というと少し語弊があるだろう。ここ最近は一彰に求められる事が増えたので、少しずつ疲労が蓄積された上でのやつれ感なら実感している。
「もしかして、俺の登場が起爆剤になって、充実してんだ? そっち系」
思いがけず図星を指されて思わず顔を赤らめてしまえば、朝倉は一瞬きょとんとした後、口にしたばかりのビールを噴き出す勢いで笑った。
「星名ちゃんて、一見感情が顔に出ないタイプだけど、結構だだ漏れしちゃってるよね」
「それは、先輩だから気付くんですよ。昔から、見てないようで何でも知ってる、みたいなとこあったじゃないですか」
高校時代もそれが気遣いや優しさという形で表れていた。朝倉はルックスだけでモテていた訳ではない事は、彼を直接知っている人間であれば、誰しもが気付いたことだろう。グラスの上部を持って空いた人差し指で星名を指差しては、まだ少しおかしそうに口元を歪めている。