Uncontrolled(アンコントロールド)
スマートで話が上手い朝倉といるのは素直に楽しい。

一彰とは恋愛のピークが過ぎているから尚更思うのかもしれない。

けれども、一彰と別れて朝倉、もしくは他の誰かというようには、現段階では考えられない。
相手を変えれば、ときめきや新鮮さも蘇ってくるだろうが、一定期間を過ぎれば必ず安定期に入り、良くいえば充実した、悪くいえば可もなく不可もなくの日々がやってくる。
一彰は、遅れてやってきた情熱のようなもので盛り上がっているようだが、それもいつまで続くかは分からないし、そんな彼を冷静に分析している星名がいるのも事実だ。
そんな状態で結婚を前提とした同棲に踏み切るには大きな覚悟が必要だろうし、かといって、このまま同棲をせずに付き合いを重ねていくにしても、その先にあるのは結婚なのかと考えると気が重い。
純粋にこの人と一緒にいたい、という気持ちでさらに関係を発展させる相手としては、一彰はもう相応しくないのではとも思ってしまう。
恋愛と結婚は別なのだと、いい加減、割り切らなくてはいけない年齢になったのだろうか。

星名は小さく溜息を吐くと、ICレコーダーのスイッチを切ってイヤホンを外す。
電車の揺れに身を任せ、最寄駅に着くまでの暫しの間、目を閉じて外界との繋がりを遮断した。

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