夏の恋は弾ける炭酸
「え!?いないよ…
好きな人」


好きな人が私の好きな人を聞いてきて、思わず声が裏返りそうになった。

私は咄嗟に嘘を吐く。
その間も、胸のドキドキが鳴り止まない。

でも、いきなりどうしたんだろう。


私がそう言うと、彼は授業中にも関わらず、斜め前に座っている女子の肩をポンポン叩きはじめた。



「岡島さん…加瀬の好きな人知ってる?」


その女子というのは、私の友達の岡島由梨(オカジマ ユリ)

モンキーショートヘアより少し長めの黒髪に、二重で真ん丸の目。

由梨は人と話すのが苦手で、話の途中で無口になることも多い。

首を上下に振って、相槌を打ってくれるだけでも嬉しい。


それなのに、そんな由梨を知っているはずなのに…


彼は由梨に話しかけた。



私の好きな人を聞くために___
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