BLUE‐PRINCE
「奏多っ!」
「ママ!」
朱架を発見した途端、奏多は走り出す。
慣れないヒールでよろけている朱架の足に、奏多が抱きついた。
「奏多、勝手に行っちゃダメでしょ!」
「ごめんなさい……」
朱架に叱られ、しょげる奏多。
どこかに行かれては困ると思ったのか、朱架は奏多を抱き上げて歩き始めた。
しかし、ヒールで何度もコケそうになっている。
「……はぁ」
数歩歩くたびによろめく朱架を見かね、僕は彼女の腕から奏多を抜き取った。
ストンと僕の腕の中に降り立った奏多は、首に小さな腕を回してきた。
奏多が居なくなったことに気付いた朱架が慌てて僕を振り返る。
「あ…葵くん?大丈夫だよ?」
「大丈夫じゃない。転ばれたら困るから」
「転ばないよー」
「…信用できない」
「えっ…」
朱架の横を素通りし、玄関へ急ぐ。
たしかさっき放送が入っていたから、もうすぐ時間のはずだ。
「朱架、悪いけど、受付に行ってきてくれる?」
「あ……うん!」
大きく頷いた朱架は、玄関わきの『受付』のところへ駆けていった。
あとは、奏多を教室に連れていくだけ。