有害なる独身貴族
*
夢も見ないほどの深い眠りから、私の意識によびかけてくるのはケータイの呼び出し音。
そのまま、引っ張られるように意識が浮上した。
「……電話?」
体中汗だくだった。
ベタベタして気持ち悪いけど、今だ鳴り続けている電話をとるのが先だ。
こんなに長いはずないから、何度かかけ直されているのだろう。私は慌てて鞄の中を探った。
「はい、房野です」
『俺だ。片倉だ』
「店長?」
『熱、どうだ?』
店長が電話できるほど余裕のある時間なの?
さっき眠りに落ちた時は、余裕が全く無く、部屋の電気はつけっぱなしだった。
キョロキョロと辺りを見ると時計は夜中の十二時を指している。
「え! こんな時間」
『起こしたか? 悪いな』
「いえいえ。えっと、熱は計ってないですけど」
多分ある。
眠る前よりはリンパの腫れ感が少ないけど、まだおでこが熱い。
『起き上がれるか? 今、部屋の前にいるんだけど』
「は? 部屋?」
ええええええ!
驚きすぎて言葉が出ない。
嘘だ。片倉さんがうちに来る?
あり得ないあり得ない。
『食いもん持ってきただけだ。つか、お前気をつけろよ。鍵開いてんだけど』
「え? 嘘」
『嘘じゃねぇよ。開けるぞ?』
ギィ、と扉が金属の擦れるような音とともに開いた。
私、鍵閉め忘れてたの?
そういえば開けた記憶はあるけど閉めた記憶は無いかも。
夢も見ないほどの深い眠りから、私の意識によびかけてくるのはケータイの呼び出し音。
そのまま、引っ張られるように意識が浮上した。
「……電話?」
体中汗だくだった。
ベタベタして気持ち悪いけど、今だ鳴り続けている電話をとるのが先だ。
こんなに長いはずないから、何度かかけ直されているのだろう。私は慌てて鞄の中を探った。
「はい、房野です」
『俺だ。片倉だ』
「店長?」
『熱、どうだ?』
店長が電話できるほど余裕のある時間なの?
さっき眠りに落ちた時は、余裕が全く無く、部屋の電気はつけっぱなしだった。
キョロキョロと辺りを見ると時計は夜中の十二時を指している。
「え! こんな時間」
『起こしたか? 悪いな』
「いえいえ。えっと、熱は計ってないですけど」
多分ある。
眠る前よりはリンパの腫れ感が少ないけど、まだおでこが熱い。
『起き上がれるか? 今、部屋の前にいるんだけど』
「は? 部屋?」
ええええええ!
驚きすぎて言葉が出ない。
嘘だ。片倉さんがうちに来る?
あり得ないあり得ない。
『食いもん持ってきただけだ。つか、お前気をつけろよ。鍵開いてんだけど』
「え? 嘘」
『嘘じゃねぇよ。開けるぞ?』
ギィ、と扉が金属の擦れるような音とともに開いた。
私、鍵閉め忘れてたの?
そういえば開けた記憶はあるけど閉めた記憶は無いかも。