逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
部屋は割と狭かった。
恐らく6人くらいが限界だろう。


席は奥から穂村真尋、綾瀬翔太、亜理紗、あたしだった。

亜理紗と綾瀬翔太はもうすでに打ち解けて
2人仲良くおしゃべりをしている。



結局来てしまったけど…

歌うことが苦手なあたしはやっぱりアウェイな気がしていた。


ここに来てからすでに一時間が経つが
3人とも遠慮なく歌う。

人前でよくそんなに歌えるなと感心しながら
3人が歌うのを静かに聴いていた。

歌うのは苦手だが聴くのは好きだった。



しかしずっと聴いているだけというわけにもいかず…



「一之瀬さん何も歌ってないみたいだけど…」



穂村真尋に気づかれてしまう。



「ちょっと、飲み物とってくる」



さりげなくかわすために部屋を出た。

遅れて不自然だと気付いたが…



ドリンクバーのコーナーでオレンジティーを入れる。

出来上がるまでは部屋に戻らなくて済むから少し気楽だ。


少し休憩



…のはずだった。



「一之瀬さ~ん!」



追いかけてきたのは

穂村真尋だった。



「真尋、ちゃん…?」
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