逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
「へえ」



それなら亜理紗を任せても大丈夫かもしれない。


綾瀬と真尋は幼稚園からの幼馴染らしい。
性格は全然違うのに常に一緒にいたのだそうだ。

どこか亜理紗とあたしに似ている。



「あーあ、僕も翔太君みたいに誰かと付き合ってみたいです」



真尋は口を膨らませる。

よく話すようになってから気付いたが
真尋は現実にしては珍しく僕っ子だった。



「真尋はすぐできそうだけど」


「そんなことないですよ。苦労ばっかりです」



意外だなと思った。
真尋はどこか似ているけれどあたしとは違う。



「可愛いのに…」



ぼそりと呟いた。



突然、真尋は足を止めた。


どうしたのかと振り返ると真尋はあたしをじっと見つめていた。



「どうしたの?」



声をかけると真尋は我に返ったようにハッとした。

それからクスリと笑った。



「樹さんって面白いことを言いますね」



よくわからなかった。
あたし、そんな面白いこと言ったっけ?


でも真尋は本当に可愛いと思う。

一般的に見ると亜理紗のが可愛いと言われるかもしれないけど

どうしてか真尋を見ると少しドキドキする。



「それじゃあ、お気をつけて」



ほどなくして駅に着いて真尋と別れた。
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