逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
予行が終わり、学校はばたばたしていた。

外部活が校庭の整備をして、実行委員がテントを張っていた。
クラスのダンスグループは校庭でリハーサルがある。


ところで

この周りの人だかりはどうしたらよいだろうか?



『樹さんかっこいい!!』



あたしの周りにはクラスの女子が群がっていた。
おそらく他にもいたみたいだが…


一体何があったかというと
あたしはただワイシャツにベストに蝶ネクタイの執事服を着ているだけなのだ。

もちろんダンスの衣装だ。


ダンスは1,2年生のみ
各クラスごとで自由で
2組は男女ペアで踊るものだった。

そして案の定あたしは男役を任されたってわけだ。



「ずるい、一之瀬だけ…」



男でもないのに男子から嫉妬の視線を感じる。
こっちだって彼女達を連れていってほしいくらいだ。



「はいはい、樹が困ってるでしょ~」



やっと着替え終えたのかお嬢様風の丈の短いドレスを着た亜理紗が入ってくれた。



「ほらほら行った行った~」


「いいなあ亜理紗ちゃんは樹さんとペアで」



ぞろぞろと戻っていく中でそんなことを呟く人がいる。



「幼馴染の特権ってやつ?」


「おい…」



そんなことを言うと再び男子の視線が刺さるからやめてほしい。

亜理紗は割とモテるのだ。
< 24 / 72 >

この作品をシェア

pagetop