逆転カップル~可愛い彼氏とイケメン彼女~
「ところで真尋は何してるの?」


「樹さん1人かなあって思って待ってたんです」



そんな笑顔を向けられると女のあたしでも惚れてしまう。
この子がどうして持てないのか未だに謎だ。

2人並んで歩きながら世間話をする。



「そういえば、柴田さんが翔太君と付き合いはじめてからすごい噂が立ってるみたいですね」


「へえ、そうなんだ」



まあ、2人美男美女だしなあ



「はい、何でも亜理紗は樹さんと付き合ってたんじゃないのかって」



思い切り躓きそうになった。

なんて噂が広がってんだ…



「はあ…そんなわけないだろうに…」



噂というものは恐ろしいと思った。
隣で笑う真尋。



「でも、よかったです」


「え?」



思わず聞き返す。
よかったというのはどういうことだろうか?



「だって、僕…」



真尋の様子がいつもと違った。
夏に近づき熱くなってきたせいなのかほんのり真尋の顔が赤く見える。

すると、ハッとしたように首を横に振った。



「何でもないです」



そこまで言われると気になるのだが



「そう」



と、それ以上追及しなかった。
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