不思議能力連続日記(1話読みきり短編)
でも……
口は動いてない!

明らかに私の声だけど――

お尻から出た!!!


「どう? 便利でしょ? 他にも動物と話ができるとか色々できるんですけど、内気なあなたにはこれが一番いいかと思って」

ナメクジはまるで笑うみたいに小刻みに揺れた。


「や、や、やだー!! やだ!」


叫ぶと後ろでドアが開き、弟の開(カイ)が顔を出した。


「姉ちゃんなにやってんの?」


ナメクジが――と言いかけてやめた。頭が変になったと思われるだけだ。


「なんでもない! すぐ入る!」


ドアが閉まってから、ナメクジに顔を近づける。



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