不思議なこの世界(仮)




「もう、何あの男!見た目はいいからって!」
「さえちゃん……褒めちゃってるよ……」




さえちゃんは腕を組んで、フンッとした。私はそんなさえちゃんを抑えようと必死だった。




「二人ともすまぬな……私も立場がある……」
「こちらこそ、ごめんね。そろそろお城を…」
「で、でも、いちご。私たち一体どこに行けばいいの?」




じいは、とても申し訳なさそうに頭を下げてくれた。これ以上、じいには迷惑をかけるにはいかなっかった。

私たちは本に吸い込まれてこの世界に来た。どうにかして、元の世界に戻らなければ。そういえば、結構な時間がたっているはず。お母さんたち、心配しているだろうな……。




「せめて、勝手にこの城に連れてきてしまったのだから、家まで送ろう。お二人の家は、どちらに?」
「「………」」




私たちは黙り込んだ。どう答えればいいのかわからなかった。



「お主らにも何か事情があるようじゃな」



私はさえちゃんと目を合わせた。そして、決めた。



「じ、実は……」




信じてもらえなくてもいい。私たちは、今までの出来事をすべて話した。





< 14 / 22 >

この作品をシェア

pagetop