不思議なこの世界(仮)
「もう、何あの男!見た目はいいからって!」
「さえちゃん……褒めちゃってるよ……」
さえちゃんは腕を組んで、フンッとした。私はそんなさえちゃんを抑えようと必死だった。
「二人ともすまぬな……私も立場がある……」
「こちらこそ、ごめんね。そろそろお城を…」
「で、でも、いちご。私たち一体どこに行けばいいの?」
じいは、とても申し訳なさそうに頭を下げてくれた。これ以上、じいには迷惑をかけるにはいかなっかった。
私たちは本に吸い込まれてこの世界に来た。どうにかして、元の世界に戻らなければ。そういえば、結構な時間がたっているはず。お母さんたち、心配しているだろうな……。
「せめて、勝手にこの城に連れてきてしまったのだから、家まで送ろう。お二人の家は、どちらに?」
「「………」」
私たちは黙り込んだ。どう答えればいいのかわからなかった。
「お主らにも何か事情があるようじゃな」
私はさえちゃんと目を合わせた。そして、決めた。
「じ、実は……」
信じてもらえなくてもいい。私たちは、今までの出来事をすべて話した。