鬼社長のお気に入り!?
 ほっと胸をなでおろし、ようやく冷静さを取り戻したところで本当の惨劇が起こった。足を踏みしめた瞬間、パキッと乾いた音がして恐る恐る下を見てみると、八神さんがデザインで作った模型が無残な姿で床でバラバラになっていたのだ。


「……貴様」


「ひぃぃ!! す、すみませんっ!」


 うわぁおお!! なんてことしちゃったんだろ私、もしかしてさっきのパニックでなんか倒したのって……これだったのかも――!?


「これを作るのにどれだけ時間がかかったと思ってるんだ」
 

 よりにもよって八神さんが作った模型だ。おそらくクライアントに立体イメージとして見せるものだったに違いない。


「あの……煮るなり焼くなりしてください」


 私が言い訳をせず、潔く言うと八神さんがふっと不敵に笑った。
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