鬼社長のお気に入り!?
「あの……前からずっと気になってたんですけど」


「なんだ」


「八神さんは桐生電機になにか恨みがあるんですか? それに、偶然だと思いますけど、桐生電機の仕事をまるで潰しにかかってるような、必要以上にライバル心があるというか……」


 余計なことを言っているとわかっている。けれど、私はどうしても真相を突きとめたかった。


「こういう仕事はいつだってライバルとの争奪戦だ。クライアントはいいものを持ってこなければあっさりと契約を切る。情なんかない、常にアウトプットし続けなければ生きてはいけない世界なんだ、その中でも桐生電機には負けられない……」


「どうしてですか?」


「お前には関係ない」


 近づいた拍子に思いきり目の前でシャターをしめられてしまったような気がした。まだ八神さんに近づくことを許されないのだ。そう思うと傷つくというよりも虚しさがこみ上げてくる。
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