鬼社長のお気に入り!?
「それで、新しい会社はどう? うまくいってるの?」


「う~ん、それが……八神さんと初めてここで会った時はものすごく紳士だったのに、いざ就職してみたら手のひら返したようになっちゃって、上司としては最高の人ですよ? でも男としては最低です」


「へぇ、八神さんってそんなふうに見えないけどな……」


「見えないように仮面かぶってたんです! それに私は騙されたわけで……」


 うぅ、なんか酔ってきた……。そろそろ帰ろうかな。と私がそう思っていると、マスターが急に思い出したように言った。


「あぁ、そういえばさ、八神さんの話しついでに思い出したけど、ようやく婚約が決まったらしいよ」


 ……は? ええっ!? こ、婚約――!?


「なんですかそれ、私全然そんな話し聞いてませんよ?」


「え?聞いてないの? なんだ、じゃあもしかしてサプライズだったのかな? やべ、悪いこと言っちゃったな」


 サプライズ……もうこの手のサプライズはこりごりだ。なんだ、八神さん、婚約するんだ――。


「マスター、帰ります」


「え? う、うん……」
< 246 / 367 >

この作品をシェア

pagetop