鬼社長のお気に入り!?
 桐生さんは案の定、女性社員に囲まれていて私なんかが入っていける余裕はなかった。どうやらソニックビューティーのことで盛り上がっているようだ。


「はい、愛理! ビールお待たせ! お疲れさまー」


 ガチンとグラスをぶつけられて泡がこぼれそうになる。私は一気にそれを煽ると、爽快なのどごしに「ぷはぁ」と息づいた。


「杉野さん、お疲れ! EXPOもお疲れ!」


 するとちょうど隣に座っていた上田さんが声をかけてきた。


 上田さんは小柄だがパワーのあるインテリ風の男性社員だ。開発企画の中でもなかなか仕事のデキる人で、いつも桐生さんと組んで仕事をしている。


「仕事の話しになっちゃうけどさ、ソニックビューティーの発売おめでとうな」


「上田さんも、お疲れさまでした」


 ソニックビューティーを作り上げるまでにたくさんの人が関わった。上田さんもその一人だ。
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