鬼社長のお気に入り!?
「今夜はみんな集まってくれてありがとう。えーっと、この場を借りてなんだけど、実は報告があるんだ」
桐生さんが改まって言うと、ぺちゃくちゃ喋っていた全員が水を打ったように黙って桐生さんを見る。
「年末になるけど、婚約が決まったんだ」
――は? 今、なんて? こ、婚約ぅ……? 嘘!?
全員が私と同じリアクションでまるで石のように固まっていた。ある女性社員は手からグラスが滑り落ち、ビールが床一面にこぼれても反応できないでいた。
「先週決まった話なんだけど、いつみんなに言おうかって思ってて、最初に自分の部所から報告しようって決めてたんだ」
「いやー! 嘘~信じらんない~」
「桐生部長~私たちを捨てないで~」
次々に女性社員たちの嘆きの声が聞こえてきた。けれど、私はいまだに聞き間違いなんじゃないかとか、桐生さんのドッキリなんじゃないかとか現実を呑み込むことができなかった。
桐生さんが改まって言うと、ぺちゃくちゃ喋っていた全員が水を打ったように黙って桐生さんを見る。
「年末になるけど、婚約が決まったんだ」
――は? 今、なんて? こ、婚約ぅ……? 嘘!?
全員が私と同じリアクションでまるで石のように固まっていた。ある女性社員は手からグラスが滑り落ち、ビールが床一面にこぼれても反応できないでいた。
「先週決まった話なんだけど、いつみんなに言おうかって思ってて、最初に自分の部所から報告しようって決めてたんだ」
「いやー! 嘘~信じらんない~」
「桐生部長~私たちを捨てないで~」
次々に女性社員たちの嘆きの声が聞こえてきた。けれど、私はいまだに聞き間違いなんじゃないかとか、桐生さんのドッキリなんじゃないかとか現実を呑み込むことができなかった。