鬼社長のお気に入り!?
「桐生部長~水くさいっす! なんでもっと早く言ってくれなかったんですか~」


「おめでとうございます!」


 逆に男性社員は桐生さんの報告に盛り上がり、飲めや飲めやとグラスを掲げた。


 聞くと、桐生さんの婚約相手は桐生電機と関わりのある大手企業の令嬢で、社長同士で引き合わせて婚約の運びとなったらしい。一見政略結婚のように思えたが、桐生さんの様子を見ているとまんざら嫌な話しでもなさそうだった。


「り、……愛理? 愛理ってば!」


「え……?」


 肩を大きく揺さぶられて私はようやく我に返る。
< 56 / 367 >

この作品をシェア

pagetop