鬼社長のお気に入り!?
※ ※ ※



 あれからどうやって家に帰ってきたのかわからない。まったく記憶のないまま、気がついたらベッドの上にいた。スマホを手繰り寄せて見てみると、翌日の朝になっていた。


 ――年末になるけど、婚約が決まったんだ。


 桐生さんの言葉が何度も何度も反芻されて、きっと悪い夢を見てたんだ。と思いたくても昨夜と同じ服を着ていることに気がついて、夢ではなかったと思い知らされる。着信履歴には桐生さんと美智から何件か入っていた。メールも入っていたが見る気にもなれない。


 会社に行きたくない――。
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