♡゚・*:.。 Aqua Rose Princess 。.:*・゚♡

綺麗な旋律を奏でているのは、クリアブルーのふんわりロングヘアーの美少女。


この曲、は‥‥懐かしい、かな。


アクアローズ王国で昔、有名だった曲。


楽譜なんて、王家にしか存在しなかったはず。


まぁ、いいか。



俺は女のいる方へと視線を巡らせた。


屋上の、また少し上に上ったところに居る。


後ろ姿だから、誰他がわからなかった。


思わずその音に聞き入ってしまい、後ろ姿を見つめ続けた。


女は楽しそうにブァイオリンにひいている。


少しだけ、横顔が見えた。



その時、突然ぷつりと音が消えた。


「‥‥ったぁ〜」


楽しそうにしていた女は、顔を歪めて踞っている。


手には弦の切れたヴァイオリン。


彼女の顔には赤い線がツゥーっと入っている。


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