bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
聞こえてないだろうと思ったが、しっかりと聞こえてしまっていたようだった。
「一馬、あんたコーヒーはセルフサービスって言ってるでしょ。」
「分かってるって。俺も自分から頼んでるわけじゃないし、朝から安藤が淹れてくれるんだよ。ここ1ヶ月位は新人にシフトチェンジして安藤のコーヒーは飲んでないけど」
「そんなにおいしいんだ。ひかりちゃんのコーヒー」
香奈子も安藤を妹のように可愛がっているので、仕事の話になると、よく安藤の話題になることがある。
圭吾もいつの間にか名前を覚えてしまっていて、これまで数回顔をあわせた程度なのに既に「ひかりちゃん」と呼んでいる。
確かに安藤が朝から淹れてくれるコーヒーは美味しい。
もちろん給湯室に置いてあるごく普通のコーヒーメーカーなのだが、毎回俺の好みの濃さのブラックコーヒーを新聞の一面を読み始めるタイミングで出してくれる。
転職し、今の部署になって1年、このコーヒーは俺の朝のちょっとした至福の一時になっていた。
ほぼ毎日繰り返されていたこの日課が、当たり前になってしまっていたと気付いたのは、4月に入職してきた新人が淹れてくれるコーヒーがあまりにも薄かった時だった。
「一馬、あんたコーヒーはセルフサービスって言ってるでしょ。」
「分かってるって。俺も自分から頼んでるわけじゃないし、朝から安藤が淹れてくれるんだよ。ここ1ヶ月位は新人にシフトチェンジして安藤のコーヒーは飲んでないけど」
「そんなにおいしいんだ。ひかりちゃんのコーヒー」
香奈子も安藤を妹のように可愛がっているので、仕事の話になると、よく安藤の話題になることがある。
圭吾もいつの間にか名前を覚えてしまっていて、これまで数回顔をあわせた程度なのに既に「ひかりちゃん」と呼んでいる。
確かに安藤が朝から淹れてくれるコーヒーは美味しい。
もちろん給湯室に置いてあるごく普通のコーヒーメーカーなのだが、毎回俺の好みの濃さのブラックコーヒーを新聞の一面を読み始めるタイミングで出してくれる。
転職し、今の部署になって1年、このコーヒーは俺の朝のちょっとした至福の一時になっていた。
ほぼ毎日繰り返されていたこの日課が、当たり前になってしまっていたと気付いたのは、4月に入職してきた新人が淹れてくれるコーヒーがあまりにも薄かった時だった。