bitter and sweet-主任と主任とそれから、私-
「えーん」
真面目に話をしていたら、急に寝室から泣き声がした。
「ごめん。夜泣き。ちょっと行って来るね」
香奈子が席を立ち、寝室へ入っていくと、その泣き声はピタリとおさまった。
「俺もこれ飲んだら、帰る」
なんだか、これ以上長居すると、この夫婦に迷惑な気がする。
「ごめんな。それより、お前彼女は出来たのかよ。もう別れて3ヶ月位?」
「いや、もうすぐ半年経つよ。まぁ、土曜の夜にこの家に飯食いに来る時点で独り身なんですがね」
急に始まった恋愛話に、俺が苦笑いする。
「なんだ、俺、彼女じゃないにしても、一馬はひかりちゃんが好きなんだと思ってた」
あまりの意外な言葉に俺は何も言い返せないでいる。
「お前、よくひかりちゃんの話するし、ひかりちゃん、お前の好きなタイプに近いじゃん」