新社会人の私と不機嫌な若頭

嫌な予感…



遅めのランチを済ませて
私たちは岸谷の家に行った



「「若、杏奈姐さん、お疲れさまです」」


慣れてない私はいつもビクっとしてしまう



「ちっ……てめぇら…」



『やばっ……涼介さん、大丈夫!ちょっとビックリしただけだから』


岸谷の家は大好き
だけど慣れないこともあって
それで、今回みたいに組員さんに迷惑をかけてしまうこともある


『怒らないで……ねっ?』


そう言うと涼介さんは
私の額にキスをしてギュッと引き寄せる


恥ずかしいけど
組員さんに迷惑がかからないなら我慢


そんな涼介さんを見て組員さんは苦笑い
前に三宅さんが言っていたことがある


「あんな若を見た事がない連中ですから、驚くんでしょう。」


私の前では甘々だけど
それ以外では多分、強い人なんだと思う


「おねーちゃん!」


玄関に入ると、笑顔の雄哉が出迎えてくる
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