新社会人の私と不機嫌な若頭


涼介さんは玄関へと歩いている


『私にとって涼介さんは旦那さん、お父さんや翔子さん、雄哉や組員さんみんなが家族なの……』
『私から家族を取らないで……』


涼介さんの眉が少しだけ動いたけど
止まる気配はない、だから…


『涼介……お願い』


小声で涼介さんの耳元で囁く
涼介さんの足が止まった


「……わかった」


そう言って引き返してくれる



涼介さんは結婚しても私が
『涼介さん』
そう呼ぶのを、嫌がっている
年上だけど、夫婦だから同等って。


私が『涼介』って呼ぶと
どんなに不機嫌でも機嫌が良くなる



『ありがとう……涼介』


そう言って涼介さんの頬にキスをする




「……つっ。今すぐ帰って抱きたい」



あー……これはやりすぎたか


『ふふっ、私壊れちゃうね』


また『涼介さん』って普通に戻ると
少しだけ不機嫌になるけど。ふふふっ。
< 49 / 149 >

この作品をシェア

pagetop