新社会人の私と不機嫌な若頭
涼介さんは玄関へと歩いている
『私にとって涼介さんは旦那さん、お父さんや翔子さん、雄哉や組員さんみんなが家族なの……』
『私から家族を取らないで……』
涼介さんの眉が少しだけ動いたけど
止まる気配はない、だから…
『涼介……お願い』
小声で涼介さんの耳元で囁く
涼介さんの足が止まった
「……わかった」
そう言って引き返してくれる
涼介さんは結婚しても私が
『涼介さん』
そう呼ぶのを、嫌がっている
年上だけど、夫婦だから同等って。
私が『涼介』って呼ぶと
どんなに不機嫌でも機嫌が良くなる
『ありがとう……涼介』
そう言って涼介さんの頬にキスをする
「……つっ。今すぐ帰って抱きたい」
あー……これはやりすぎたか
『ふふっ、私壊れちゃうね』
また『涼介さん』って普通に戻ると
少しだけ不機嫌になるけど。ふふふっ。