新社会人の私と不機嫌な若頭


「別にいいけど」


いつもそう。
白鳥さんの返事は冷めている


『沙耶も誘ってもいいですか?』


「……好きにしなさい」


うふふっ。
もう誘っちゃってるし。


『久し振りに白鳥さんのお家だから、パーティーしましょ』


「……勝手にしてちょうだい」
「っていうか。オーナーに話したの?」


…………きたか
嘘をつけばいいのだろうが
白鳥さんの厳しい目には叶わない



「ははっ、私寝ちゃって言えませんでした」


そう言ってその場から逃げた
白鳥さんの声がしたけど、
それがなんともくすぐったく思える


いつも通り仕事をこなし
閉店間際に沙耶が来て
三人でスーパーに行き
白鳥さんのマンションへ向かう


なんにも変わらない
いつもと一緒……


けど……何かが違う……
やっぱり見られてる……
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