甘々王子にユウワクされて。
疲れた……早くこんな作業終わらせてしまいたい。
そう思って、まだ半分近く残っているリボンの山を見たとき。
「晃斗、結羽! おはよ」
友だち数人と一緒にしてきた木林くんが声をかけてきた。
「おはようございます」
高槻くんの手前あんまり親しそうにはしたくなかったけれど……今日これまで何百人と挨拶してきたから挨拶くらいいいだろう。
「大丈夫? 2人じゃ大変だよね、手伝おうか?」
そう言って、折りたたみ式の机のこちら側にまわりこんでくる木林くん。
わたしの側から回ってきたから、わたしが学校の王子二人に挟まれる形に。
うわぁ……これこそ女の子たちに、いや、坂場さんたちに見つかったらなんて言われることか。
「いえ、大丈夫です……っと、おはようございます。フィーリングカップル用の……」
断っている間にも、男子のグループが二つ登校してくる。