甘々王子にユウワクされて。



疲れた……早くこんな作業終わらせてしまいたい。


そう思って、まだ半分近く残っているリボンの山を見たとき。



「晃斗、結羽! おはよ」



友だち数人と一緒にしてきた木林くんが声をかけてきた。


「おはようございます」


高槻くんの手前あんまり親しそうにはしたくなかったけれど……今日これまで何百人と挨拶してきたから挨拶くらいいいだろう。




「大丈夫? 2人じゃ大変だよね、手伝おうか?」



そう言って、折りたたみ式の机のこちら側にまわりこんでくる木林くん。


わたしの側から回ってきたから、わたしが学校の王子二人に挟まれる形に。


うわぁ……これこそ女の子たちに、いや、坂場さんたちに見つかったらなんて言われることか。




「いえ、大丈夫です……っと、おはようございます。フィーリングカップル用の……」



断っている間にも、男子のグループが二つ登校してくる。


< 133 / 247 >

この作品をシェア

pagetop