甘々王子にユウワクされて。



まったく、来るんなら一緒に来てほしい。


同時に来るのに違うグループだと、グループごとに渡したり説明したりしなきゃって気を使うから……とても疲れる。



「えーこれ何? あ、なんか掲示板に張ってあったフィーリングカップルのやつ?」



今度は、まだ男子たちへの説明が終わってないのに横から入ってくる派手な髪形をした女の先輩方。


ちょっと待ってよ、と内心叫びたくなる。



ちらりと時計を見たら、ちょうど電車が20分前に着いていた。


1番人が乗ってくる時間の電車だろう。



3つのグループの対応に追われていると、気が付いたら木林くんがいなかった。


友だちでも見つけて行ってしまったんだろうか、彼は友達が多いから。



だけど学校の外に、まるで集団登校しているかのような大量の人が見える。


登校ラッシュの時間だ。




……一人でも漏れたらこの企画は楽しめない、心してやらないと。


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