甘々王子にユウワクされて。
どう言えばいいか分からなくて迷っていると、木林くんが廊下の先を見つめながら答えた。
「俺最近毎日結羽に英語教わってるんで。センパイよりよっぽど近い場所にいるんで、そんなこと言われる筋合いないと思いまーす」
「ちょっと……! なんてこと言うの」
わざわざそんな誤解を招くような言い方しなくても。
しかも感じも悪いし。
「そっか。それはごめんね」
「あぁすみません先輩! ほんと失礼なやつで……!」
木林くんも謝ってよ、というふうに視線を向けたけど、知らんぷりされる。
余計先輩に申し訳ない。
かと思うと。
「……結羽。行こう」
「え、あっ!?」
「はやく」
木林くんは急に、本当に唐突に。
真面目な顔して、わたしの腕を掴んで歩き出した。