守られるのは卒業よ!
マリカたち3人は白い光に包まれて、その場から消えた。


そして、次の瞬間、恐る恐る目をあけると、見覚えのある部屋にいた。


「ここは・・・私の部屋だわ。
ってことは?」


「おかえり、マリカ。危ないところだったな。」


「スウェル!!あなたが私たちをここに?」


「俺も手伝ったが、長距離の移動魔法は魔導士でないとうまくいかないのでね、
しかもあのナギンが来るんだから、手を貸してくれない高級魔導士はいないからね。
王宮から派遣してもらってたんだ。」


「お父様とハリィは?
ハリィは足を骨折して動けないの。
犯罪に巻き込まれたお父様をおぶって逃げてくれたの。
悪い人じゃないわ。
だから、だから・・・助けてあげて。

それでもハリィを逮捕するっていうなら、私はあなたと戦うわ。」



「そりゃ、大変だ。
俺はマリカと知り合って、これからもっとお互いのことを理解していけたらと思っていたんだがねぇ。
君が反旗を翻すというなら、今すぐ捕らえて俺の奴隷にでもしようかな。

君の魔法の先生なら、この窓からよく見えるけど、近くの魔法少女たちを集めて楽しく先生をしてるみたいだよ。
足がまだ治ってないというのに、まぁ楽しそうに教えてる。」


「ええっーーー!どこどこ?
うそぉ!!な、何、なんなの・・・あいつ!」


庭で楽しそうに車椅子に座ったまま12歳から17歳の少女たちに囲まれていたハリッシュはマリカに気づいて手を振っていた。


「マリカ!気が付いたか?
俺はこの娘たちの先生をやるそうなんだ。
楽しいぞ!女の子に囲まれて最高!!

あ、でも心配するなよ。俺はマリカの胸のサイズが大好きだからなっ。」



「ぶっ!!な、なんてことを・・・。
あっ、お父様は・・・?」


「ナギン氏は今、王宮に行ってもらっている。
すぐにもどってこられるさ。
君の様子をみて、先に王や王子に挨拶にいってもらった。

できれば俺も化け物退治ができるように、いろいろと教わりたいことがいっぱいあるんだ。
もどってこられたら、君といっしょに魔法を習うことになるな。」



「えっ・・・スウェルと私がいっしょに魔法を習うんですか?
でも、私はスウェルみたいに上達してないし、お父様に直接習うなんて・・・治療の仕方を教えてもらえれば私は・・・べつに・・・あとはあの娘たちといっしょにハリィに習うから・・・。」


「残念だけど、君はハリィと俺といっしょにナギンから魔法を習ってもらう。
まぁ、補習するのにハリィに手伝ってもらうのは許可しよう。」


「そう。それでハリィが元気にやっていけるなら・・・私はかまわないわ。
私も捕虜の身なんだもん・・・。
贅沢言える立場じゃないもの。」




「マリカ・・・そう卑屈になられても困るなぁ。
俺は、マリカがいない間・・・心臓が止まるくらい心配した。
だから・・・その・・・ハリィが悪いヤツでないと君から手紙をもらっても、心配で、すぐにでもとんでいきたかった。

けど、今この国はまだ落ち着いていないから・・・領主が動くこともできずに苦しくて。
君が帰ってきたら、絶対にもう手放すなどしない、絶対に誘拐などされないようにする。」

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