ベビーフェイスと甘い嘘

***

「あー、やっぱり終わっちゃってたかー」

「えー!ヨーヨーできないの?!やだー!」


花火が終わってしばらく経っていたこともあって、ほとんどの出店が店を閉めてしまっていた。

「ごめんねー、翔くん」

「ママのこと、引き止めちゃったもんねぇ」

「私が余計なことをしなきゃ良かったんだよね。……ほんと、ごめんね」

司書3人組もお互い責任を感じて口々に翔に謝ったけど「ママたちのおはなし、ながすぎ!だからおみせおわっちゃったんだよ!」と翔は頬を膨らましてぷい、とそっぽを向いてしまった。


もう時間は9時を回っている。ちょっとだけ愚図っているし、たぶん眠くなっているのだと思う。


「しょうがないね。またお祭りがあったら連れていくから、今日は帰ろう?ねっ、翔」

「あー、もぅ!やーだ!やだー!!」

私の言葉も耳に入らないのか、その場にしゃがみこんで本格的に愚図り始めてしまった。……仕方ない。


「よし、分かった。翔、上に戻ろ。こっちはお店終わったみたいだけど、あっちならまだやってるとこあるかもしれないし」


たぶん戻っても開いてる店なんて無いと思うけど、これ以上みんなを付き合わせる訳にもいかない。
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