ベビーフェイスと甘い嘘
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「あー、やっぱり終わっちゃってたかー」
「えー!ヨーヨーできないの?!やだー!」
花火が終わってしばらく経っていたこともあって、ほとんどの出店が店を閉めてしまっていた。
「ごめんねー、翔くん」
「ママのこと、引き止めちゃったもんねぇ」
「私が余計なことをしなきゃ良かったんだよね。……ほんと、ごめんね」
司書3人組もお互い責任を感じて口々に翔に謝ったけど「ママたちのおはなし、ながすぎ!だからおみせおわっちゃったんだよ!」と翔は頬を膨らましてぷい、とそっぽを向いてしまった。
もう時間は9時を回っている。ちょっとだけ愚図っているし、たぶん眠くなっているのだと思う。
「しょうがないね。またお祭りがあったら連れていくから、今日は帰ろう?ねっ、翔」
「あー、もぅ!やーだ!やだー!!」
私の言葉も耳に入らないのか、その場にしゃがみこんで本格的に愚図り始めてしまった。……仕方ない。
「よし、分かった。翔、上に戻ろ。こっちはお店終わったみたいだけど、あっちならまだやってるとこあるかもしれないし」
たぶん戻っても開いてる店なんて無いと思うけど、これ以上みんなを付き合わせる訳にもいかない。