ベビーフェイスと甘い嘘
「ごめん。俺が奈緒ちゃん達と祭りに来てて、智晶さんと鉢合わせしちゃったんだ。智晶さんが来るって知ってたら、絶対教えたんだけど」
そっか、会っちゃったのか……とヤスさんは呟いた。
「事情は分かんなかったけど、智晶がここに来た時は話せる状態じゃなかったよ。だから、マキが送って行った」
話しながらもヤスさんは私のほうを気にしている様子だった。あまり聞かれたくない事なのかもしれない。たぶんこれが直喜の言っていた、『話せないこと』なのだろう。
「あのさ、さっきから気になって仕方ないんだけど……」
ヤスさんが私達を交互に見ながら、言いにくそうに口を開く。
「お前が抱っこしてるの誰の子?……お前の子ども?……まさか、いつの間にか子どもがいた、とかそんな事じゃないんだよな?」
「はぁ?何言ってんの、ヤスさん?」
「あの……さ、まぁ、お前の子どもじゃなきゃいいんだ……いいのか?……いや、ダメだろ。あの、失礼ですけど……あなたは直喜と、どういう関係なんですか?」
ヤスさんに聞かれて、思わず言葉に詰まる。
一言で説明できるような関係だったらこんなに悩んでないし、それは私が聞きたいくらいなのに。