ベビーフェイスと甘い嘘
「それで……あの……直喜とは、人に言えないような仲じゃないんですよね?」
今日はいろんな事があり過ぎたから、ごまかすことが苦手な私にもさすがに免疫がついたらしい。
「はい。直喜さんは、お店の大切な常連さんですから」
別れ際に恐る恐る直喜との関係を聞いてきたヤスさんの言葉にも、私は笑顔を浮かべてさらりと嘘をついてしまっていた。
***
ヤスさんの店を離れ、そのまま市立図書館まで降りてきた所で「茜さん、送るよ」と直喜に言われた。
「いいよ。大丈夫。翔のこと抱っこしてくれてありがと」
そう言って変わるから、と手を伸ばしたのに、また直喜は変わってくれなかった。
「ちょっと、翔返して……誰かに見られたらどうするの」
焦りながらそう言ったのに、直喜は全く気にしない様子で笑っていた。
「人に言えないような関係じゃないんだよね。じゃあ、誰に見られたって平気でしょ」
そう言って、スタスタと歩き出してしまった。