ベビーフェイスと甘い嘘
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『茜ちゃん、智晶ちゃんに浴衣返した?』
芽依からLINEが入っていた。
あの日借りた浴衣はクリーニングは済ませたけど、九嶋くんに避けられていることもあってまだ返していない。
『まだだよ』と返すと、既読が付いたと思ったら『仕事終わったよね?亜依が借りた浴衣も一緒に返して欲しいから、今すぐ取りに来てー』と、すぐにそんな返信が返ってきた。
「もぅ、ワガママなんだから!」そう思いながらも、修吾と翔の帰宅は遅くなりそうだし、今九嶋くんと気まずくなっていることも話したほうがいいかな……と思い直して芽依の所へ寄ることにした。
芽依の家はコンビニからは近い。すぐに着いて車を停めようとして……白い軽自動車が道脇に停めてあるのが目に止まった。
そっか、お盆だもんね。
だから芽依ったら、強引に私を家に呼んだのか。
『分かった。すぐに行くね』そんな返事を返してしまった以上、顔を出さない訳にもいかない。
重い足取りで玄関に向かい、チャイムを鳴らした。