ベビーフェイスと甘い嘘
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翌朝、修吾の目が覚める前にこっそり翔を連れて家を出た。
今日も私は朝から出勤で、修吾は休みだったけど、翔と修吾を二人きりにしたくはなかった。
「お願い!仕事終わるまで翔のこと預かって」
何も連絡をせずにいきなり翔を連れて現れた私を、芽依は驚いた様子で出迎えた。
「拓実さんもお休みなのに、急にごめんね」
「それはいいけど……茜ちゃん、何があったの?顔……顔色悪いよ?仕事は?休めないの?」
「……急には休めないの。昨日リビングでうたた寝しちゃって、気がついたら朝になっちゃった。ちょっと身体が痛いんだよね」
苦しい言い訳だと思う。
少しだけ腫れた頬を何とかごまかしたくて、今日は眼鏡をかけてきた。
身体中がだるくて、関節も痛い。
「茜ちゃん、今日はうちに泊まったら?……って言うか泊まんなきゃダメ。待ってるからね」
「ありがと……行ってくるね」
翔は黙ったままだ。
私達の様子がおかしいと分かっているから、芽依は心配そうな顔をしながらも、無理にひき止めはしなかった。
『自分から話すまで、何があったのか翔には聞かないでね』
車に乗りこんでからお願いね、と芽依にLINEをした。