ベビーフェイスと甘い嘘

ーー数日後



「柏谷さん、ちょっとスタッフルームまで来てください」


朝日勤で入ってから30分後、店内が暇になるタイミングを見計らったようにエリアマネージャーの仙道さんが店に現れた。


シフトには入っていない店長も何故か一緒だった。何かあったのかな……と思ってはいたのだけど、まさか自分が呼び出されるとは思ってもいなかった。


「どうしたんだろ……初花ちゃん行ってくるね」


「……いってらっしゃい」


ちょっと固い表情をした初花ちゃんを見て、あまり良くない話をされるのだと何となく察してしまった。



「お疲れ様です」


「あぁ柏谷さん久しぶりだね。鞠枝ちゃんの送別会に行けなくてごめんね」


鞠枝さんの送別会に仙道さんも参加する予定だったけど、急に本社への出張が入って来られなくなってしまったのだ。


「いいえ。楽しみにしてたのに残念でしたね。鞠枝さんは順調ですか?」


「うん。元気だよ。臨月に入ってるのに『食欲が止まらなーい』なんて言って食べるもんだから、体重がどんどん増えちゃってねー。毎日ここまで散歩したら?なんて言ってるんだけど」


困ったなー!なんて言いながらもパクパク食べている様子が浮かんで、思わずフフッと笑みがこぼれた。
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