ベビーフェイスと甘い嘘
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それからは、配達途中にコンビニに寄る事を止めた。
智晶さんも、もう離れに来ることは無くなった。
それでも、週に2回は配達で駅前商店街に行かないといけない。締め付けられるような胸の痛みは無視して、ただコンビニの前を通り過ぎていた。
「直喜ちゃーん、今日配達の時、病院まで乗せてってー」
最近、一週間に一回くらいのペースで奈緒ちゃんからこんな声がかかるようになった。
「奈緒ちゃん。そろそろ店に立たなくてもいいんじゃないの」
司書の仕事を辞めてから「動かなきゃ身体が弱っちゃう」と、毎日のように店先に立っている奈緒ちゃんだけど、最近じゃお客さんのほうが気を遣うくらいにお腹が大きくなっていた。
「散歩もまだできるから大丈夫だって。お友達もできたし、家でじっとしてるよりいいもん。産まれそうになったらみんな側にいてくれるからお店にいたほうが安心でしょ?」
家でじっとしてたって店の二階が奈緒ちゃんの家なんだから、よっぽどの事がなければ大丈夫なのにな……
そう思ったけど口には出せなかった。
最近、奈緒ちゃんはお店に来る常連のお客さんと友達になった。LINEなんかでもやり取りをしていて、ずいぶんと楽しそうだ。