ベビーフェイスと甘い嘘
私の笑顔を見て、奈緒美ちゃんはほっと息をついた。


「あぁ良かった……だいぶ顔色が良くなりましたね。田原のおじいちゃんが倒れた時にレジに居たのって、やっぱり茜さんだったんですね」


「お昼の配達に出る前くらいに、商店街の方から救急車の音が聞こえて来て。何だろう?って思ってたんですけど、お客さんがコンビニで田原のおじいちゃんが倒れたって教えてくれたんです」


「私もびっくりしたんだけど、『店員さんの目の前で倒れたみたいで、その子、源さんが運ばれた後も真っ青な顔でレジに立ってた』って話を直喜ちゃんが聞いた途端に『どの子?!』ってお客さんに凄い勢いで詰め寄ったんです」


「『いつもいるショートカットのちっちゃい子だよ』ってお客さんが言ったら、直喜ちゃんまで真っ青になっちゃって」



「すぐに私に『茜さんの仕事終わる時間って何時?奈緒ちゃん知ってるんでしょ?!』って聞いてきて……もうね、お客さんも驚いてたし、その後誤魔化すの大変だったんですよ」



「まぁ、元々私も茜さんとは知り合いだったから、なんとか誤魔化せましたけど。どういう事か事情を聞こうと思って帰って直喜ちゃんが帰って来るのを待ってたら、あんな場面に出くわして……」


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