ベビーフェイスと甘い嘘
たぶん、私は相当苦々しい顔で九嶋くんの事を見ていたに違いない。
「……絶対、誰にも言わないで」
私は抵抗することを諦めた。
ナオキと一緒にいたのを見られた時点で、明らかに私のほうが分が悪い。今さら包み隠してもしょうがない。
男と一緒にいるのを見られて、泣き顔まで見られたんだから……
……って言うか、こうして九嶋くんに話さないといけなくなったのって、全部ナオキのせいじゃない?
ちょっとだけ心を軽くしてもらって……ほんの……ほんのちょっとだけいいヤツなのかも、って思ってたのに!
***
「で、ねーさんはこれからナオキとどうなりたいの?セフレ?」
話を聞き終えた九嶋くんは一言だけ、そう言った。
「……オトモダチ、らしいよ」
「はぁ?!ヤッちゃってんのにお友達だなんて、そんな都合のいい関係ありえないでしょ」
そこは、死ぬほど反省している。
世の中には漫画や小説のように適当で後腐れのない関係なんて存在しないのだ。
……一つだけ反論させてもらえるなら、まだヤッてはいないんだけどね。
「何でこんな事になっちゃったのかな……」
九嶋くんに言っても仕方ないのに、さっきからため息が止まらない。
「もっと割りきった関係かと思ったのに。ねーさん、振り回されてるね」
「私もね、何でこんなことになってるのかさっぱり分からないの。ねぇ、ナオキって昔からあんな訳の分かんない感じなの?」